「PREP法を使っているのに、なぜか伝わらない」——そう感じている人は意外と多いです。本記事では、PREP法のよくある 5つの失敗パターンと改善版を、ビジネスシーンの具体例で解説します。
PREP法の基本(おさらい)
PREP法は Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論再確認) の順で話す型。詳細は PREP法(プレップ法)の使い方と例文10選 に。
このページでは「型は使えているのに伝わらない」失敗パターンを扱います。
失敗1:Reasonが「事実」になっている
NG例
結論として、私はリモートワーク導入に賛成です。 理由は、佐藤さんが昨日「リモートは効率が良い」と言っていたからです。 たとえば、A社もリモート導入しています。 なので、賛成です。
何が問題か
Reason(理由)に事実だけを置いてしまっている。「佐藤さんが言った」「A社がやっている」は事実であって、リモートを支持する論理的な理由にはなっていません。
改善版
結論として、リモート導入に賛成です。 理由は2つ。①集中作業時間が確保できる、②採用市場での競争力が上がる。 たとえば、A社では導入後に離職率が15%下がり、応募者数も30%増えたと報告されています。 なので、リモート導入に賛成です。
→ Reason は判断、Example は事実。両者を分けて考える。
失敗2:Exampleが長すぎて結論を忘れる
NG例
結論として、新規ツール導入に賛成です。 理由は業務効率化です。 たとえば、私が前職で似たツールを使っていた時、最初は導入時のトレーニングが大変で、3週間くらい時間を取られましたが、そこを乗り越えてからは1日2時間くらい時間が浮くようになって、その時間で別の業務に取り組めたり、新しい施策を企画したりできるようになって、結果として年間で約500時間くらいの工数削減ができて、上司にも評価されました。 なので、賛成です。
何が問題か
Example が長すぎる。300字以上に達してしまい、聞き手は最初の結論を忘れている。
改善版
結論として、新規ツール導入に賛成です。 理由は業務効率化が見込めるから。 たとえば、前職で類似ツール導入後、年間500時間の工数削減を実現しました。 なので、賛成です。
→ Example は 1〜2文 に圧縮。長くしたい場合は、別途別の場で詳細を話す。
失敗3:最後のPointを省略する
NG例
結論として、新人研修プログラムを改善すべきです。 理由は2つ:①現行は座学中心で実務とのギャップが大きい、②離職率に影響している。 たとえば、過去3年間で新人の30%が2年以内に離職しています。
何が問題か
最後のPoint(結論再確認)が抜けている。これだと、聞き手の記憶に結論が定着せず、「で、結局何が言いたかった?」となりがち。
改善版
結論として、新人研修プログラムを改善すべきです。 理由は2つ:①現行は座学中心で実務とのギャップが大きい、②離職率に影響している。 たとえば、過去3年間で新人の30%が2年以内に離職しています。 そのため、研修プログラムの改善を提案します。
→ 最後の Point は短くてOK。「そのため、◯◯です」「つまり、◯◯」の1文を必ず添える。
失敗4:Point(結論)があいまい
NG例
結論として、新規事業の検討は慎重に進めたほうがいいかもしれないという気もしないでもないですが、ただ機会損失もあるので、状況次第ではすぐ動くこともあり得ます。
何が問題か
結論が断定形でない。「かもしれない」「気もしないでもない」「状況次第」「あり得る」など、保険を掛けすぎて何を言いたいか分からない。
改善版
結論として、新規事業の検討は今期中に開始すべきです。 理由は競合が動き始めているから。 たとえば、A社が同領域で動き始めたという情報があります。 そのため、今期中の検討開始を提案します。
→ 結論は断定形で。判断に自信がなくても、まず断定して、後で根拠を補強する方が伝わる。
失敗5:「数を予告しない」
NG例
結論として、本案件は予算オーバーのリスクが高いです。 理由は、まず先方の追加要望が多くて、それから当社チームのキャパが足りない時期と重なってしまっていて、さらに為替の影響も無視できない状況で...
何が問題か
理由がいくつあるのか予告されていないので、聞き手は「いつ終わるか」分からず、集中力が下がる。
改善版
結論として、本案件は予算オーバーのリスクが高いです。 理由は3つあります。 1つ目は先方の追加要望、2つ目は当社チームのキャパ不足、3つ目は為替リスク。 たとえば、追加要望だけで工数+20日、為替で原価+5%が見込まれます。 そのため、予算見直しを提案します。
→ 「理由は◯つあります」と最初に数を予告するだけで、聞き手は構えができる。
NG パターンを避ける3つのチェック
PREP法で話す前 or 書く前に、次の3つを自分にチェックすると失敗を防げます:
チェック1:結論は断定形か?
「思います」「かもしれません」を排除。「◯◯です」と言い切れているか。
チェック2:Reason は判断、Example は事実か?
両者が分離されているか。Reason に事実だけ置いていないか。
チェック3:最後のPointを書いたか?
書いた後、最後の行で結論を再確認しているか。
まとめ
PREP法は「型を使う」だけでは伝わらない。5つの失敗パターンを避けることで、初めて「伝わる」レベルに引き上げられます。
- Reasonに事実を置かない
- Exampleは1〜2文
- 最後のPointを忘れない
- 結論は断定形
- 数を予告する
これだけ意識すれば、PREP法の威力が一段上がります。
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