「で、〇〇さんはどう思う?」と振られて頭が真っ白——そんな経験は誰にでもあります。PREP法(プレップ法)は、その瞬間に組み立てを助けてくれる伝え方の型。ビジネス・面接・1分スピーチで即使えます。本記事では使い方と10の例文を業務シーン別に解説します。
PREP法(プレップ法)とは
PREP法は、**Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論再確認)**の順で話す型です。「プレップ法」と表記されることもあります。
- P:Point 結論
- R:Reason その理由
- E:Example 具体的な例や事実
- P:Point 結論を繰り返して締める
この4ステップが、聞き手にとって最も受け取りやすい順序とされており、欧米のプレゼン教育や日本のビジネス研修で広く使われています。
使い方の手順(4ステップ)
ステップ1:Pointを1文で
最も伝えたい結論を、1文で先に出す。「結論から言うと、〜です」のような枕詞を使うと自然。
ステップ2:Reasonを1〜3個
なぜその結論なのか、理由を述べる。「理由は◯つあります」と数を予告すると、聞き手の頭が整理される。
ステップ3:Exampleで具体的に
事例・データ・経験で根拠を補強する。「たとえば〜」と具体に降りる。
ステップ4:Pointで締める
最初の結論をもう一度。「だから、〜です」と短く再確認する。
業務シーン別 例文10選
PREP法は使う場面によって調整します。10のパターンを具体的に紹介。
例文1:会議で意見を求められたとき
✗ 「えっと、私的にはちょっと反対というか、まあでも一理あるとも思うんですが……」
○ 「結論として、私は反対です。 理由は2つあります。1つ目は予算の見通しが立たないこと、2つ目はチーム稼働の余裕がないこと。たとえば 前回の類似案件で予算超過が30%発生していますし、現在のチームは既に2件並行しています。なので、現時点では反対です。」
例文2:面接の自己PR
○ 「私の強みは、課題を構造化して伝える力です。 理由は、大学のサークル運営で意見が割れた際に整理役を担うことが多かったからです。たとえば、合宿の場所が決まらず3週間議論が平行線だったとき、議論を「予算」「移動時間」「アクティビティ」の3軸に分解して再投票することで解決しました。この強みを御社の◯◯職でも活かしたいと考えています。」
例文3:上司への報告
○ 「結論から共有します。A社との契約は来週金曜に締結予定です。 理由は、先週の打ち合わせで価格条件と納期で合意できたためです。具体的には、価格は提示の98%で着地し、納期も12月末で合意しました。ですので来週金曜の締結に向けて、契約書の最終確認をお願いします。」
例文4:メール返信(依頼への回答)
件名:【ご質問への回答】〇〇案件の進行について
○○様
お疲れさまです。ご質問の件、回答いたします。
結論として、今週中の対応は難しい状況です。 理由は、現在 △△ 案件が優先タスクとなっており、リソースが取れないためです。具体的には、△△ 案件は来週月曜が締切で、今週はそちらに集中しています。そのため、今回のご依頼は来週水曜以降であれば対応可能です。
ご検討よろしくお願いします。
例文5:プレゼン冒頭(30秒)
○ 「今日は1点だけ提案します:新規事業の検討プロセスを四半期化することです。 理由は、現行の半期サイクルでは市場変化に追いつけていないから。具体的には、過去1年で3件の機会を失っており、平均6ヶ月の遅延が出ています。ですので、四半期サイクルへの移行を提案します。」
例文6:提案書のExecutive Summary
【結論】 当社は来期、フィットネス業界向け SaaS に参入すべきです。
【理由】 第一に、市場規模が前年比 18% で拡大している。 第二に、競合は2〜3社で寡占状態でなく、参入余地がある。 第三に、当社既存の顧客基盤の30%が業界連携可能。
【具体例・事実】 ・矢野経済研究所:市場規模 ¥XX億、年率 18% ・競合 A社・B社の合計シェア 35%(独占でない) ・既存顧客のうち◯◯件がフィットネス関連
【結論再提示】 以上から、来期 Q1 のフィットネス業界向け SaaS 参入を提案します。
例文7:1on1 で意見を求められたとき
○ 「最近の課題感としては、チーム内の意思決定スピードを上げたいです。 理由は、決定までのリードタイムが長くなっており、競合に先行されることが増えているから。具体的には、先月のキャンペーン企画でも、3週間検討した結果、競合に類似企画を先に出されました。なので、意思決定プロセスの見直しをご相談したいです。」
例文8:クライアントへの説明
○ 「結論からお伝えすると、現在の進捗は予定の80%です。 理由は、追加要件への対応で、当初計画の機能Aの実装が後ろ倒しになっているためです。具体的には、機能AはRC版で5月中旬完了、本番リリースは6月初旬を想定しています。そのため、当初予定の5月末リリースを6月初旬に変更させてください。」
例文9:チャットでの相談
【相談】 ◯◯案件のリソース割り当てについて確認させてください。
結論:A・B どちらに田中さんを割り当てるか、ご判断いただきたいです。 理由:両案件とも来週から本格稼働で、田中さんの稼働を1人分しか取れないため。 具体的には:A案件は緊急度高、B案件は新規開発で経験が必要。 質問:田中さんの強みは新規開発寄りなので B 推奨ですが、いかがでしょうか?
例文10:朝会の発表(昨日の進捗)
○ 「昨日の成果:A案件の設計レビューが完了しました。 理由:チームメンバー全員から問題なしの承認が取れたため。具体的には、5名のレビュアー全員が approve、コメントは軽微なtypo修正のみ。今日は、その修正を反映して実装フェーズに入ります。」
SDS法・DESC法との違い
PREP法と似た構造の話法がいくつかあります。違いを整理:
| 型 | 順序 | 主な用途 | |---|---|---| | PREP | Point → Reason → Example → Point | 短時間スピーチ・即興発言 | | SDS | Summary → Detail → Summary | プレゼン全体・長文資料 | | DESC | Describe → Express → Specify → Choose | 交渉・断る場面 |
PREP は短い口頭発言に強く、SDS は長尺の説明に強い。DESC は対立を生まない伝達に強い。
よくある失敗パターン
失敗1:Reasonが具体すぎる
「理由は、Aさんが言っていたから」のように事実を理由にしてしまう失敗。Reasonは判断、Exampleが事実。両者を分けて考える。
失敗2:Exampleが長すぎる
具体例を詳細に語りすぎて、結論を忘れる。Exampleは1〜2文を目安に短くまとめる。
失敗3:最後のPointを省略する
「理由・例まで話して終わり」だと、聞き手の記憶に結論が残らない。最後のPointは必ず短く繰り返す。
失敗4:「とりあえず賛成です」の中身がない
「PREP法を使えば中身がなくても伝わる」と思うのは誤解。型はあくまで補助で、Reasonの中身が薄ければ説得力は出ない。型 × 中身の両輪が必要。
失敗5:場面選びを間違える
PREPは「1〜2分で結論を伝える」のに最適。長尺の説明や、感情的配慮が必要な場面では別の型が向くこともある(SDS、DESC)。
鍛え方:毎日できる3つの練習
練習1:1分PREPを日替わりで
身近なテーマで「1分PREP」を毎日1つ書く・話す訓練。「今日のランチに焼肉を選んだ理由」「この本をおすすめする理由」など、何でもOK。型を体に染み込ませることが最優先で、最初から完璧な内容を狙わない。
練習2:会議の前の30秒準備
会議の前に「もし指名されたらPREPで何と言うか」を頭の中で1度だけ回しておくと、本番で詰まりにくくなる。
練習3:自分の発言を録音して聞き返す
スマホの録音機能で自分の発言を録り、聞き返す。「結論はどこ?」「Exampleは具体か?」を客観的にチェックできる。
まとめ
PREP法は、伝え方の型として最も汎用性が高い。要点:
- Point → Reason → Example → Point の順で話す
- 結論は最初と最後の2回出す
- Reasonは判断、Exampleは事実
- 「数を予告」する(理由は2つ・3つ等)と聞き手が整理しやすい
- 型 × 中身の両輪を忘れない
- 短時間ならPREP、長尺ならSDS、と使い分け
→ PREP法は伝達力の代表的な型の1つ。全体像は伝達力とは?ビジネスで「伝わる人」になる思考法と鍛え方もあわせてどうぞ。