OKR、KPI、SMART——どれも目標設定のフレームワークですが、用途と性格が違います。本記事では3つの違いと使い分けを、入門者向けに解説します。
結論:OKR・KPI・SMARTの本質的な違い
| 項目 | OKR | KPI | SMART | |---|---|---|---| | 対象 | 変革・成長の目標 | 業務の継続的な健全性 | 個人やチームの目標 | | 野心度 | 高い(70%達成が成功) | 達成必須 | 達成可能を重視 | | 頻度 | 四半期 | 継続モニタリング | 案件ごと | | 用途 | 大きな変化を起こす | 健全性を維持する | 確実に達成する |
つまり、3つは目的が違う。同じ「目標」というラベルでも、果たす役割が異なります。
OKR(Objectives and Key Results)
GoogleやIntelで採用された目標管理フレームワーク。野心的・定性的な目標 × 定量的な達成指標で構成。
→ OKRとは|Objectives and Key Results の基本
特徴:
- 70%達成が成功目安(楽勝の目標は禁止)
- 全社で透明性高く共有
- 四半期サイクル
KPI(Key Performance Indicator)
業務の健全性をモニタリングする指標。継続的に達成すべき数字。
特徴:
- 達成必須(KPI割れは問題)
- 継続的にモニタリング
- 業務オペレーションに紐づく
例:月次解約率3%以下、応答時間10秒以内
SMART目標
個人・チームレベルで使う目標設定フレーム。Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-boundの5要素。
特徴:
- 達成可能を重視
- 個人やチーム単位
- 案件・プロジェクト単位で運用
使い分けマトリクス
| シーン | 推奨フレーム | |---|---| | 全社の四半期目標 | OKR | | 業務の継続モニタリング | KPI | | チームの今期目標 | SMART or OKR | | 個人の今四半期目標 | SMART | | プロジェクトのゴール | SMART | | 部門の変革目標 | OKR |
ビジネスでの組み合わせ例
会社全体としては、3つを階層的に組み合わせるのが王道:
- 会社の OKR:「来期、業界トップのプロダクト体験を実現する」
- チームの SMART 目標:「Q2末までに新機能を3つリリース、NPSを10ポイント上げる」
- 業務の KPI:「月次解約率3%以下、平均応答時間2秒以下」
OKRが最上位、KPIがベース、SMARTが個別目標、という構造。
よくある誤解
- ❌ 「KPIが達成できないからOKRに変える」 → 違う。両者は役割が違うので、KPIの問題はKPIで解決する
- ❌ 「OKRは100%達成すべき」 → 違う。70%が成功目安。100%達成だと目標が低すぎたサイン
- ❌ 「SMARTがあればOKRはいらない」 → 違う。SMARTは確実達成、OKRは野心目標。両方必要
まとめ
- OKR:変革を起こすための野心目標
- KPI:業務の健全性をモニタリング
- SMART:個人・チームの確実達成目標
- 3つは階層的に組み合わせる
→ 目的思考全体の体系は目的思考とは?「そもそも何のため?」で仕事の質が変わるもあわせて。