「ここまで投資したから、いまさらやめられない」——その思考がサンクコスト効果。撤退判断を遅らせる代表的な認知バイアスを解説します。
サンクコスト効果とは
サンクコスト効果(Sunk Cost Fallacy)とは、すでに支払って取り戻せないコスト(時間・お金・労力)に引きずられて、合理的でない判断を続けてしまう認知の癖。日本語では「埋没費用バイアス」とも呼ばれます。
経済学的には「過去のコストは未来の判断に影響させない」のが合理的ですが、人間の心理はそう動きません。「もったいない」という感情が、本来撤退すべき場面で撤退を遅らせます。
ビジネスでの例
- プロジェクト:3年投資した新規事業が芽が出ないのに「もう少し続けたら」と続ける
- 採用:合わない人材を「研修費をかけたから」と切れない
- 個人:合わない映画を「途中まで見たから」最後まで見てしまう
対策3つ
- 「未来だけ見て判断」と自問する:過去のコストを切り離して、いま投資する価値があるかを問う
- 第三者に判断を委ねる:当事者以外は感情移入が少なく、客観的に判断できる
- 撤退基準を最初に決める:プロジェクト開始時に「ここまでやって◯◯にならなかったら撤退」と書面化する
まとめ
- 過去のコストに引きずられる認知の癖
- 「もったいない」が判断を歪める
- 撤退基準を先に決めることで防げる
→ クリティカルシンキング全体の体系はクリティカルシンキング(批判的思考)とは?前提を疑う力の鍛え方もあわせてどうぞ。